2009年10月15日木曜日

五感 + する

「てふてふが一匹韃靼海峡を渡つて行つた」で有名な、安西冬衛の詩から

「木の椅子に膝を組んで銃口を鼻にする。蒼い脳髄で嗅ぐ硝煙の匂が、私を内部立体の世界へ導いた。」

       (大岡信編、『集成・昭和の詩』、小学館、1995年より)

という一節の「鼻にする」を読んで、硝煙の匂いを嗅いだような気分になった。

目にする。
耳にする。
手にする。
口にする。

「口にする」には、
口の中に入れる意も、言葉を口にのぼらせる意もあることを
改めて意識する。