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2011年8月30日火曜日

「人間になりてえ」

片づけをしていて、深いところまで手をのばしたら、
カセットテープをしまいこんだケースが出てきました。
中学、高校時代に聞いた懐かしい曲名がたくさん。


ラジオ+CD(故障)+カセットテープが再生できるミニコンポにかけてみたら、
初めのカセットと次のカセット(ラテン音楽)は、
かたん、と止まって、とり出してみたら
テープがびろー、とだらしなく出ていて
音楽を聴くどころではありません。
なんと無残な。

しかし三本目は、なぜだかちゃんと再生できました。
久しぶりに聞く長渕剛は、歌詞がいちいちガツンと聞こえてきます。

アルバムの表題作は、Captain of the Shipという曲ですが
一曲目の「人間になりてえ」と、
三曲目の「ガンジス」と
 (歌のなかの「東京へ帰る」という一節が、今聞くと、なんとも複雑に聞こえます。
 「とんぼ」の歌詞を思い出してみると、さらに。)、
それからこのアルバムを貸してくれたともだちが感じ入っていた「12色のクレパス」
が、とくに強烈に耳について、
90年代前半のいろんなことを思い出し、現在のいろんなことに考えがめぐっていきます。

途中で裏返さなきゃいけないのも、なんだか懐かしい動作でした。

このテープは、のびないでほしい…


(追記:よく考えれば、テープがのびるというのは、
 複製したものの、自然なありかたなのかもしれません。

 当時の私(中学生)にとってCDは高価なもので、
 おいそれと買うことはできなかったけれど
 今なら、ちゃんとした形で購入することができる。
 つまり、古いテープは、そっと、とっておけばいいのですね…)


2010年12月20日月曜日

舟唄

息を吸いに、走りに、たびたび行く公園はとても広くて、
管楽器を練習したりギターを弾きながら歌を練習したりしているひとが
いることは、さしてめずらしいことではないのですが、
今日聞こえてきたのは特別なものでした。

舟唄、でしょうか。
おじいさんの深くてつややかで息の長い歌声があたりに響きわたり、

船着場で到着を待っていて、まだ姿は見えないが遠く舟唄が聞こえてくる、

そんな情景が、一瞬のうちに広がるようでした。








2009年9月5日土曜日

息を呑み、血がめぐる

金曜日。
矢野顕子・上原ひろみの競演は
もともと大きかった期待をさらに超える大満足だった。

ピアノを愛し、音楽の女神と交信する二人の奇跡的な出会い。

矢野さんの伸びやかな歌声に深い和音、
シャープで自由に奔放にスリリングに突き進んでいくひろみさんの白鍵黒鍵に
目を見張り、息を呑み、そして体中の血がざわざわ駆け巡っていくようにも感じる。

ひろみさんは
湧き出し溢れ出る音楽を、確かな技術で受け止めている。
この上なく、かっこいい。

2008年10月2日木曜日

聴くこと、待つこと、信じること

野村喜和夫さんと齋藤徹さんのメキシコシティ滞在にご一緒しながら
(一緒に来てくれた高際君、ほんとうにありがとう)
食事の時間のたびに、少しずつ色々な話を伺うことができた。

なかでも昼下がりのカフェ・タクバで
コントラバス奏者の齋藤さんから聞いた話がじんわり暖かく残っている。

齋藤さんは、こどもたちのところに音楽を教えに行くことがあるそうだが、

毎回、音を出すよりも前にすることは
こどもたちが「聴くことができるように」すること。

耳を澄まして聴く、ということができるようになれば
ひとりでに色々な音を発見し、そこからさまざまなものが生まれるようになる。

「聴くこととか、待つこととか、信じることっていうのは、きっと
どれも根っこのところではつながっているものだと思うんだ」

澄んだ秋の青空のような言葉だった。

2008年9月19日金曜日

Domínuo Público, ブラジルの扉

Eduがブラジルの友だちから教えてもらったという、
ブラジル政府のデジタル図書・音楽・映像館のページ。

http://www.dominiopublico.gov.br/

文学では、トップページに載っているのは
Machado de Assis の作品、Fernando Pessoaの詩、
『神曲』、そしてシェイクスピアのポルトガル語訳などだが、
「テクスト」 + 「ポルトガル語」で検索したら、2057件ヒットした。

音楽も、トップページのブラジル国歌以外にもたくさんある。
(国歌ひとつ取っても、さまざまな音源が用意されていた)

利用者が少ないためにページが閉鎖されるかもしれないという。
閉めてしまわずに、利用者を増やすべく宣伝すればいいのに。

2008年9月8日月曜日

Cineamano

金曜日、久しぶりに面白いものを見た。

FESTIVAL ESPEJOS SONOROS encuentro de voces múltiples
という「声」をテーマにした映画や音楽を集めた催しで、プログラムは以下の通り。

1.『声を求めて』 (En busca de una voz )というドキュメンタリー映画
2.Giacinto Scelsi, John Cage などの、音楽なのか声なのか音なのか?というような「曲」の演奏
3.歌いながら機材を使って声を重ねたり加工したりする一人の多重演奏と、Cineamano の共演
4.もはや歌でも音楽でもなく叫びのようなエレクトロニック音楽

とても気に入ったのは3番目。
ヴォーカリストのLeika Mochánのすっきりした声、
目の前で(耳の前で)見事に音が重なっていく様子にも釘付けだったけれど、
さらに、後ろのスクリーンに映し出された影絵が!

それこそが、Cine a mano。手描き映画、とでも訳せるだろうか。
歌の情景にあわせ、サラ、スッスッ、と砂絵を描いていく。単純な線だけで、なんと見事な。
次の曲が始まると、影の手によって静かに砂がどかされ、一曲間のvidaは終わり。

ロビーで小さなフライヤーをもらった。
下記のビデオを見たところ、cineamanoは砂絵だけではないらしいが、
私が見たのは画面左下に出てくるAlejandro Chávezという人のCineamano砂影絵。

http://www.myspace.com/cineamano

2008年7月17日木曜日

トランペットを聴きながら

先日見つけたインターネットラジオが気に入っている。
AccuRadio
という局。チャンネルが豊富で、しかもかなり細分化されている。
http://www.accuradio.com/

たとえばクラシックチャンネルでは、

ヨーロッパのオーケストラ特集、ブラームス特集、交響曲特集、オーボエソリスト特集など、
さまざまな特集が選べる。

今朝はトランペットソリスト特集をかけている。
今までこうしてトランペットソロのある曲をたくさん聞いたことは一度もなかったので、とても新鮮。


ちなみにジャズチャンネルを見たら、ピアノ特集のアーティストリストには、

セロニアス・モンクやビル・エヴァンスらに混ざって、Hiromiの名があって、つい嬉しくなった。


2008年5月29日木曜日

ラジオの前から動けない

ラジオの前から動けず、ただただ耳をすます、という経験をした。
フランスにいたときのある夜、眠りかけていたときにラジオから流れてきた音楽にぱっと目が覚め、
Maurice Vanderの名を書き取って以来のことだ。

台所に降りるつもりでいたそのとき、ラヴェルのボレロのヴォーカル版が流れてきたのだ。

一瞬ボロディンの「中央アジアの平原にて」かと思い、あれ?とわからなくなったけれど、
トン、トトト、トン、トトト、ト・ト・ トン、トトト、トン、トトト、ト・ト・ 
いやいや、やっぱりこれはあの曲。

メロディーだけでなくパーカッションの部分まで、
声だけであの精緻な厚みが組み立てられていく。

息を呑みながら最後まで聞き、誰が演奏しているのかと耳を澄ませたら
何も言わないままに次の曲が始まってしまった。
一体誰なんだろう。

2008年3月17日月曜日

メキシコシティでチェコのジャズ

無料の屋外jazz liveの開場を待つ行列は、建物に沿って角を曲がり、
階段を降り、もうひとつ階段を降り、また角を曲がり、ようやく最後尾に着いた。

頭上に容赦なく太陽が照りつけるなか、ジェームズ・ボンドのテーマが流れ始めた。
チェコ共和国のジャズバンド、その名も Band... James Band.
サックス、トランペット、ベースにドラム、ピアノ、黒い帽子に黒眼鏡の五人組。

ブギウギの頃から、プログラムを日よけにしている客席に手拍子が生まれ、
8ビートのイントロの「枯葉」で流れをつかみ、
フリューゲルホルンの柔らかな「ミスティ」を気持ちよく聞いていたら…

サックス奏者が客席から若い女性をエスコートして、ゆったりゆったり踊り始めた!湧き起こる歓声。

その女性が席に戻ると、今度は黒いスカートの中年女性が立ち上がり、サックス奏者の手をとった。
ワンコーラスが終わるか終わらないかのうちに、別のおばさんがすっくと立ち上がり、盛り上がる客席。
また次のコーラスには、今度はワタシとばかりに別のおばさんが。フィニッシュにクルクルとターン。

楽しみ上手な客席にもすっかり楽しませてもらった。