2010年3月29日月曜日

大阪

お好み焼きの具と生地の入った器は、
ぎりぎりの大きさで、あふれてしまいそうで、混ぜるのに一苦労。

「だいじょうぶ、できる? まぜてあげようか。」
「すみません、お願いします」

渡すと、お店のおばさんは、
器の底の一点を鉄板にコツンと当てるようにして、力強く生地を混ぜ始めた。

なるほど、これなら、もしこぼれても大丈夫。
混ぜること、混ぜること。額には玉の汗。鉄板はじりじり熱し続けている。

「いまはまだいいけど、夏は暑くて暑くて。
 夏は、お客さんに、食べる方になりたいわって思うのよ。」

「またお好み焼きが、冷たいビールにあうんですよね。」と、舞ちゃん。
自分の頭のなかでは、なぜか甲子園の映像が流れている。
ビールに執着がないからか、夏とお祭り気分と関西からの連想で、きっとそうなったのだろう。

おばさんは頃合をみはからって、またひょいと顔を出し、焼き加減を指南してくれた。

美味しく食べ終わって、
エドゥがヘラをあやつって鉄板から焦げ残りを落としていると、
それを目にしたおばさんの顔がぱっと嬉しそうになり、
そして、声をかけられた厨房からもうひとり、嬉しそうな顔がのぞいた。

「きれいにしてくれて、ありがとうね。」

こちらこそ、美味しいお好み焼きとやきそばと、
そして暖かいもてなしを、ありがとうございました。

2010年3月27日土曜日

土の上を歩く

朝、久しぶりに公園に走りに行った。

最初は調子よかったのだけれど、
数日のあいだ座り通しだったのに加えて朝の冷えがこたえたのか、
途中、左のかかとから脛にかけての筋にぴきっと何かが起こり、
これはまずいと足をゆるめて止めた。

ああ、この先は歩いていくしかないか、痛めたらあとが困るしな、と
舗装道路から草地にはずれ、足首をまわし、筋をのばし、また足首をまわし、
草地を歩くこと、80メートルくらい。

ふたたび舗装道路に戻ったら、
なんということでしょう、筋はすっかり元どおりになっておりました。

しかも草地を歩いた両足には、しばらくのあいだ、
暖かく湿り気を帯びた感覚がほかほか残っていた。



土の上を歩くこと。

2010年3月9日火曜日

風が吹く

風が吹けば桶屋が儲かる
というあれをモチーフにしたラーメンズのスケッチはとっても面白かったけれど、

そもそも、なにもなかったところに風が生まれること自体が驚きだと
木の葉の色が変わって散る季節に公園を走っていて、
自分のとろとろ鈍いかけ足の下で枯葉がカサカサと動いて、
あれ今なにか風のようなものが起きたんじゃないか?
と感じたときに、そう思った。




そして、待っている添削テクストがまだ届かない。火曜午前3時。
あちらは月曜日の正午だ。

2010年3月8日月曜日

ビバメモライフ

るみちゃんとのやり取りで、
「ビバメモライフ」ということになった。

アイディアはメモしておくに限る。

兼田言子さんの「髪を洗っているときにひらめきが生まれることが多い」
という気づきには、深く同感。
「書き留められないから忘れないように注意が必要」ということにも。
 (彼女の写真も、添えられた文章も、とてもいい。)

メモは簡潔な方がいいけれど、あまりにも短すぎると、
それを頼りに記憶を掘り起こそうとしても、
何を考えてそれを書いたのかさっぱりわからないこともある。

たとえば、机の棚に貼ってある小さなポスト・イットの「メドゥーサ」。
「メドゥーサ」と書いたときに、
なんだったか、「!」と思って書いたことだけは覚えているのに。

2010年3月7日日曜日

複数の頭

日本語の名詞には、
複数には s をつける、というような
わかりやすい仕組みがないからか、

英語を習いはじめたころ、
メガネは一つ
でもレンズが二つあるからglasses,
二本足がくっついているから、pants,
と、律儀に複数形になるのを知って、へえと思った記憶がある。

スペイン語には、複数形が含まれた面白い単語がある。

誕生日は cumpleaños。
cumplirは、「(責任・義務などを)果たす」、「満…歳になる」
añoは、「年」。
誕生日は、満…歳(複数)を迎える日。
(1歳の誕生日は cumpleaño?)

パズルは、rompecabezas.
romper は、「壊す、ばらばらにする」
cabezaは、「頭」。
パズルは、何人もで一緒に取り組むものだったのだろうか?
むしろ、トランプゲームの「神経衰弱」を思い浮かべた。

2010年3月6日土曜日

そとづくえのとも



考えが煮詰まって公園まで歩き、

空の下で考えたらどうにかなるかもしれない
と携えていった紙きれを
野外の木の机に座って広げていたら、

パタパタ、鳥がやってきて、大きな机の端にとまった。
いらっしゃい。

2010年3月4日木曜日

大正マリー

「チョイス」の箱に
Since 1937 と書いてあってその古い歴史にびっくりし、

「マリービスケット」の箱を見たら
Since 1923 !

大正時代からあるビスケットだったとは。
ハイカラマリー、大正マリー。

2010年3月1日月曜日

湯冷ましについての疑問

「湯」という単語が存在するのは、
ほかにどの言語があるのだろう?

hot water, agua caliente, l'eau chaude.
熱い水 という表現で「湯」を表現する言語では
「湯冷まし」という語は、どうなるのだろう?

「赤ちゃんに飲ませる場合、水は一度沸騰させてから、それを冷まして飲ませること」
とでもいうのだろうか。

一度きり

ほんものの満月は、雲の向こうで見えなくて、残念。

先日、イタリア人男性と結婚したばかりの友人と会って話をしている中で、
その彼は、日本語の擬音語や擬態語を面白がり、とても気に入っていると聞いた。

そのうち、
擬音語や擬態語は、「ザーザー」とか「ふわふわ」とか、
何故同じ音を二回繰り返すものが多いのだろう、という話になった。

そこで、考えた。
たまには一回きりにしてみてはどうだろう。

「ふわの綿毛」
「雨がザー降っている」