野村喜和夫さんと齋藤徹さんのメキシコシティ滞在にご一緒しながら
(一緒に来てくれた高際君、ほんとうにありがとう)
食事の時間のたびに、少しずつ色々な話を伺うことができた。
なかでも昼下がりのカフェ・タクバで
コントラバス奏者の齋藤さんから聞いた話がじんわり暖かく残っている。
齋藤さんは、こどもたちのところに音楽を教えに行くことがあるそうだが、
毎回、音を出すよりも前にすることは
こどもたちが「聴くことができるように」すること。
耳を澄まして聴く、ということができるようになれば
ひとりでに色々な音を発見し、そこからさまざまなものが生まれるようになる。
「聴くこととか、待つこととか、信じることっていうのは、きっと
どれも根っこのところではつながっているものだと思うんだ」
澄んだ秋の青空のような言葉だった。