先日、テラス席のお店で昼食メニューを食べながら
サン・ハシント公園の放射状に中心の噴水に集まる道と
そして木々の奥に立つ教会の塔を眺めていたときのこと。
ふと、小さな町の中心がここにあったのだ、というのが見えてきた。
広場と教会というのは、植民地時代に作られた町の構造の中心。
そうして見ると、石畳の道をガタガタ上ってくる車たちが、
はるばる、他所の町から来た旅の客のように見えた。
サンアンヘルへようこそ。
昨晩、サン・ハシントのタクシーを呼んで帰った。
年配の朗らかな運転手さんに、町中で行われている工事のことを話題にしたら
通っていく道々の昔の姿を教えてくれた。
Viveros の脇の、かすかに川の名残が残っている辺りは
60年代まで土の道で、馬が通っていたことも。
Avenida de la Paz の辺りは路面電車の通り道で、
サン・ハシント公園の脇にあるサウナ・風呂屋さんは、当時の駅だった建物。
市場の裏手に残る線路も、当時の名残。
サン・アンヘルの石畳は、実はすべてが古くからのものではなく
路面電車が廃止されたあとに敷いたものもたくさんある……
古い建物や広場は点々と残っているけれど
町の動脈のようなものが、昔と今ですっかり変わっている。
埋められたいくつもの川を掘り起こし、路面電車を生き返らせたら
この町の風景はどうなるだろう?