去年はメキシコで、花と家族で賑わうお墓に同伴したのだった。
お墓を囲んでピクニックをしている家族もあった。
穏やかに賑やかな、暖かいお墓参り風景だった。
その前の年の9月にはテネリフェ島で、
垂直に並んだ、色とりどりの花できれいに飾られた墓石の数々を見た。
特に何かのお祭りがあったのかどうかは、わからなかった。
現地に生まれ育ったアドは、
「死」はできれば近づきたくないもので、
墓地に足を踏み入れたことすらほとんどないと言っていた。
確かに、「死」には、できれば近づきたくない。
でも、「死」と「死者」は違う。
「死を思え」ということばがあるが、
漠然とした「死」ではなく、
この世に生きて、その生を終えた人たちのことを、思い出す夜にしよう。
Tenerife, 2007, foto por Yukie Monnai