イメージを呼び起こす力がやたらと強いことばがある。
「梅干し」。
うめぼし、と頭の中で発音しただけで、口の中が急に潤う。今もなった。
こどものころ、間違ったイメージ連鎖が起きていたことばがある。
給食の献立表にひらがなで書かれていた「ぶたじる」。
緑、黄色、紺の土星みたいな旗を思い浮かべていた。
久しぶりに目にして、
自分に起こる反応が鮮烈になっていたことばがある。
「シエラネバダ山脈」。
電車で読んでいた本に出てきた「シエラネバダ」の文字を見たら
眼前に わっ と雄大な白い山並みが広がり、清清しい空気が肺に届くよう。
Sierra はスペイン語で、「山脈」
Nevada は、「雪で覆われた」、「万年雪の」。