先日、ダンサー西林素子の出演する舞台
「トランプ」(The band dancer vol.1)を見てきた。
生のバンドと生身のダンサーが共演し、
ポーカーや大貧民などのトランプゲーム、ジョーカーをモチーフに
一曲一曲、違った味わいのショウが繰り広げられる。
ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード、サックス、トランペット…
バンドの楽器それぞれの持ち味が違い、そして担う役割も異なるうように、
ダンサーも一人ひとり、ちがった魅力を持っている。そしてそれが見事に引き出されていた。
西林素子というひとは、
格好良さと華やかさとチャーミングさを兼ね備え、それに一本芯の通った稀有なひとで
ダンスにもそのすべてがあらわれている。
こんな贅沢な舞台を、またいつか見たい。
もうひとつ。
この舞台の音楽をプロデュースしたヴォーカルとサックスの戎谷俊太氏の歌は、
ことばがとても素直にメロディーに乗っているのか、まったく自然に頭(か心か?)に入ってきて、
不思議な感覚を覚えた。
ふと、開演前に読んだパンフレットに
「バークリー音楽院の卒業実技試験で、サックスを吹かずに日本語で歌い、卒業を一度見逃す」
とあったことを思い出した。
きっと彼の表現の根本は、自分のことばで・自分の声で、歌うことなのだろう。