先日、夜の電車で面白いことがあった。
久しぶりに会う友だちと大勢で美味しいものを食べた帰り道、
電車でもメキシコ人のホセとスペイン語日本語とりまぜてお喋りし、
途中の駅でホセをじゃあねと送り出してしばらくすると、
たまたま乗り合わせたおじいさんに声をかけられた。
「失礼ですが、さっきお話していたことばは…スペイン語ですか?」
聞けば、その方はお仕事でパリに三年ほど暮らしたことがあり、
今も外国語に興味があるとのこと。
三年前に亡くなった奥さまは、日本語の教員をなさっていたそうだ。
降りるまで一駅ちょっとの間だったけれど、思い出話や外国語の話など、
さっぱりとして温かみのある口調で話してくれた。
その方が降りた後も、なんだかあたたかい気分が続き、
自分の駅では階段を降りる足取りも軽く、家までうきうきと歩いて帰った。