昨日、生まれも育ちもスペイン領カナリア諸島のテネリフェ島、
グルノーブル一年学び、フランス領ギアナで一年働いた友人が
三ヶ月の日本語研修のため、はるばる来日した。
Madrid、Frankfurtでの乗り継ぎに加えて時差もあり、
月曜に出たのに到着日はすでに水曜日。
やれやれようやくTokyo成田と思ったら、
それから語学学校と提携している寮の最寄り駅まで、
電車に揺られては乗り換え、また揺られては乗り換え。
車内広告を指差し「あそこに書いてある漢字、全部わかるの?」
「そりゃわかるよ」という私の答えに目を丸くしていた彼は
西武新宿線の上石神井駅に止まったときに
「あれは知ってる漢字だ!この駅は、ウエなんとかでしょう?」
「…カミシャクジイ…(よりによってこんな難しい読み方の駅)」
「でもあの漢字は、ウエじゃなかった?」
「ウエなんだけど、カミとも読むんだよ」
「なんでウエじゃないの?」
「漢字には何通りも読み方があるからねぇ…」
「こんなに平仮名がないとは思わなかった」と愕然としている姿を見て
アルファベット圏から漢字かなカナの国に来るのは冒険だと改めて思った。
読めなければ、辞書で引くことだってできない!
けれどその分、わかってきたときの面白さは大きいのだろうと思う。
ただの模様に見えていたものが突然意味を持った文字に見えるときの、
こどもの時以来の新鮮な面白さがたまらないという話も聞いたことがある。
刺激的な三ヶ月を過ごして行ってもらえるといい。