2010年5月5日水曜日

とある時代のメキシコ広告

メキシコの文芸情報誌 Letras de Mexico (1937-1946) の
はじめから終わりまで、全132号を見ていったときのこと。

それぞれの記事の内容を見るのが目的で、それはもちろん果たしたけれど、
ついでに目に入る広告の変遷も面白かった。

タイプライターの広告は、文芸誌だけあって、ずっとあった。
「文字は人柄を表します。くっきり文字のわが社製を」というのが
最後の方の決まり文句。

糖分は脂肪よりも体によい栄養源です、皆さん砂糖をもっととりましょう。
というおかしな広告は、最初の何号かのあいだ繰り返され、やがて姿を消した。

タイヤの広告は途中からデザイナーが変わったらしく、
面白みのなかった図柄が一こまマンガ的なかわいらしい絵柄に変わり、
手入れの仕方、点検の仕方も教えてくれるようになる。

途中に出てきたハエよけスプレーの広告の絵柄には
革命の時代のような、ヒゲをたくわえソンブレロをかぶり長銃を持った
いかにもステレオタイプ的なメヒカーノおじさんが描かれている。
悪者退治といえばこれ、というイメージだったのか。

そして、戦後になると、
(現在では旅客輸送をおこなっていない)メキシコ国鉄の広告が出た。
ベラクルスまで、列車の旅をどうぞ。サービスの充実した
夜行列車もご利用ください。

利用してみたかった。