2010年5月2日日曜日

わか葉

国立博物館、平成館で展示されている「細川家の至宝」を見た。
目当ては菱田春草の「黒き猫」。
名画を前に、ちいさな女の子が
高らかに「にゃーー」。くすくす笑いを誘っていた。

さて興味をひかれるものはほかにも様々あったけれど、
中でも、えっ 知らなかった と思ったのは、
古今和歌集の伝授が「秘儀」であり、
他言しないという誓いを立てなければ、教えを受けることができなかったらしいということ。

秘儀のもよおされる際に掛けられた柿本人麻呂の像や、
その掛け軸も描きこんだ秘儀の図が展示されたのと同じ列には
細川幽斎による歌がひとつ。
「いにしへも今もかはらぬ世のなかに 心のたねをのこすことのは」。

目に鮮やかな若葉の季節、特別な言の葉のことが気になる。