2009年9月27日日曜日

本に関わる人たち(津田新吾さんへの絵葉書)

土曜日のこと。

編集者として文芸書・人文書の出版に携わり、7月に逝去された津田新吾さんという方の
仕事と人柄を偲ぶ会に、行った。

管啓次郎先生のブログで紹介されていた集まり。(るみちゃん、ありがとう)
http://monpaysnatal.blogspot.com/2009/09/blog-post_08.html

故人にお会いしたことはなかったのだが、
 著作家、翻訳家、編集者、書店員、写真家、詩人、小説家、読者
さまざまな仕方で本に関わっている人たちのお話を聞き、
そして、会場に並べられた何冊もの本や雑誌を見ているだけで、
どれほど魅力的な方だったのか、じわじわ伝わってくる。


書き手と読み手の間を仲介する編集者としての、文章に対する真摯な姿勢は、
札幌から『アフンルパル通信』を発行している吉成秀夫さんに通じるところがあると思った。

胸躍らせながら図書館に行き、
平たかった布袋をゴツゴツ膨らませて家を目指した、
小さいころの「本」に対する特別な感覚を思い出した。

本は忙しく消費される「商品」でもなければ、単なる「資料」でもない。


本には、いくつもの「誕生」の瞬間があると思う。

着想のとき。
書きあげたとき。
刷りあがったとき。
書店に並んだとき。
誰かが手にしたとき。
誰かが読み始めたとき。
誰かが読み終わったとき。