2009年9月24日木曜日

猫は知っている

元は駅前で果物屋をやっていた、働き者のおかみさん。
区画整理でお店がなくなってからは、マンションの管理人をやっているようだ。

通りかかるたび、いつもマンションのごみ捨て場で働いている。
ゴム手袋をはめて、丁寧に分別をし、プラスチックごみは水で洗ってきれいにしている。
60代ぐらいだろうか、腰はもうすっかり曲がっている。

口を出す筋合いはまったくないけれど、
マンションに住んでいる人たちは、おかみさんがどんなに手をかけているのか
一度見てみればゴミの出し方も変わるだろうに、と思ったことが何度もある。

何ごとも厭わない、その丁寧な仕事ぶりをいつも見ている「ひと」がいる。
「ひと」と言っても、人間ではない。
黒白の猫。


ダンボールに座布団をしいた特等席をもらい、
黒白はいつでもおかみさんのそばに丸くなって付き添っている。

先日、おかみさんに「ありがとうございます」と声をかけている人がいた。
おかみさんは、ハキハキした声で「こちらこそ!」
座布団の上の黒白が、片目をちらりと開けた、ような気がした。