2009年9月16日水曜日

知ることと、耳や目にとまること

外国語の単語をひとつ新しく覚えたら
その言葉が急にたくさん耳に飛び込んできた!
という経験が何度もある。

自分が覚えたときに、
たまたまその言葉が発せられる場面に居合わせた、ということではなくて、
それまではキャッチできずに聞き流し、見過ごしていたその言葉を
拾えるようになった、ということなのだろう。

似たようなこと。

マークトゥエインの本に出ていたジョークで「サルサパリラ」という飲み物の名前を知った途端に
秋葉原にある飲食店の広告パンフレットで、サルサパリラが取り上げられているのを見つけた。

もうひとつ。

新聞の片隅でスリランカフェスティバルの広告を見た数日後のこと、
日曜夜の井の頭線で、
あちこちの世界を知っていそうな、かつ風通しのよさそうな50代くらいのご夫婦が、
日本スリランカ交友会の会報を広げているのを見かけた。


ちなみにマークトゥエインのサルサパリラのくだりは
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ライス博士の友人は酒に酔って帰ってくると、そのわけを妻に話した。
すると細君、
「ねえあなた、そんなにウイスキーをお飲みになったときは、
サルサパリラをご注文なさるといいんですわ」
「そう、そのとおりだよ。でもね、あんなにウイスキーを飲んだときにはね、
サルサパリラが言えないんだよ」
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マークトゥエイン、『ちょっと面白い話』、大久保博編・訳、新潮文庫、1980年。