自分の部屋で、あまりにも思いがけないものを目にし、
一度目をしっかり目を閉じてから、また目を開けてみることがある。
やっぱり、ほんとうにいる。
部屋の壁に、サソリ。 浴槽に、トカゲ。
どうも不思議なのは、
こういう珍客が 「入ってくる」 ところを見たことがないこと。
彼らは、いつの間にか 「いる」。
開け放していた窓から入ってきたのか、
テラス→廊下→部屋のドアを通って入ってきたのか、
はたまた一階にある暖炉から入り、螺旋階段をのぼってきたのか。
トカゲがいた夜は、ちょうど出かける前だったので、
写真だけ撮ってあとはバスルームを共有している家主の息子さんに任せることにした。
メモくらい残しておいたほうがよかっただろうか。