バスを止めたまま
ウアパンゴ・フェスティバルの最終日、
まだ賑わう会場をあとに、昼過ぎから帰途についた。
途中で道をそれてのんびり道草、川沿いを散歩したり、川に飛び込んだり。夜には帰り着く予定が、夕飯の時間になってもトルーカはまだまだ遠く、
バスは一軒の明るい料理屋の脇で止まった。わいわいと店に入って魚料理をゆっくり味わい、
さあそろそろ行こうかとぞろぞろ動き出したら
先にバスに戻った人たちが、大音量で陽気な音楽をかけた。
「今日はイバンの誕生日なの」と黒髪のアリシアがそっと教えてくれる。
車通りの少ない夜の道路は、すっかりダンスパーティー。
軽快にステップを踏みながら、イバンの前にはいつの間にか行列ができ、自分の番がめぐってくるとイバンにabrazo(ぎゅっと抱擁)して
「おめでとう!」
(2005年11月)