2007年12月6日木曜日

幸せって、

幸せって何だろう、なんて普段から考えるわけではないが、
幕末に日本を訪れたスイス人エメェ・アンベール(Aimé Humbert)の
『絵で見る幕末日本』(茂森唯士訳、講談社学術文庫)を読んでいて
出会った一節に、こういう捉え方はいいなと思った。

日本で見たさまざまな鳥の話がひとしきり続いたあたりからの引用。

「日本語でツルというこの鳥の名前に、神性をあらわすサマという敬称を付け加えて、オツルサマとも呼んでいる。鶴は、亀とともに、日本人にとっては、長寿と幸福のシンボルになっている。そして、かれらの意見によれば、幸福とは、心の平安と明るい理性を持つことである。入り江の岸辺に住んでいる日本人の大部分は、いま述べたばかりの心の平安と明るい理性を持っている。」

異文化から来た旅人が描いた幕末の「日本人」の姿は
異なる時代に生きる私にとっても新鮮な驚きの連続。