2007年12月13日木曜日

音楽に体を動かせ


ウアパンゴ・フェスティバル回想の続きを。

フェスティバルは屋内ステージと野外ステージの二本立てで、
「ウアステカHuasteca」と呼ばれる地方の各地から集まったダンス団が

独自の衣装に身を包んでそれぞれの地方に伝わる踊りを披露し、

地元のこどもたちも晴れがましい顔つきで踊っていた。
小学一年生くらいの小さな子でも男女のペアで踊る。
演目の合間には、すっかり踊りたくなった小さな子が
お母さんにステージの端に載せてもらい、ステップを踏んでいた。


ダンスだけではなく、
ギター・バイオリン・歌のトリオも見もの。
こどもから若者、ベテランまで層が厚い。
少年のソプラノも可愛らしいけれど、おじいさんの味には及ばない。

熟練した演奏が始まると、祭りに来ている人たちの体が自然に動き出す。

歌のパートは、聴くところ。楽器だけのパートにくると、ステップを踏む。

ふと見るとアウロラが誰かとペアになって踊っている。

曲が終わると私のほうに来て、次の曲が始まるとステップを教えてくれた。
1,2,3. 1,2,3. 1,2,3.... 
曲が速くて難しい。
ひゃあ難しいと言いながら、もつれる足を動かしていたら、
音楽を感じてごらん、後は自然に体が動くに任せるんだよ、と
近くの人が教えてくれた。

日が暮れると、 食べ物屋台のあたりがいよいよ賑やかになってくる。
いい具合に酔いの回ったおじさんたちの間から拍手が沸き、
歌の即興合戦が始まった。

ギターとバイオリンが淡々と伴奏をするのに乗せて、
相手のことを面白可笑しく歌い上げる。
ワッと笑い声が起き、間奏が挟まると今度は相手の反撃。
なんと言っているのか知りたい。
と思ったけれど、アウロラに内容を教えてもらっても、
ふむふむなんて言っている間に歌は進み、遅れをとるばかり。

仕方ないので雰囲気だけを存分に楽しんだ。

(2005年11月)