2007年12月29日土曜日

フランス(10)モンペリエ


年が明ける前に、秋の旅ノート(フランス編)の最後を。

マルセイユから西に百キロほどのところにあるモンペリエは、
暖かく、そして学生の町ということもあってか、ゆったりしていた。
お昼どきの公園は幅広い世代の人たちで賑わっていて、
ベンチに三人、さらに向き合うように地べたに4,5人という
大人数でサンドイッチをかじっている高校生もいた。

この町で、チャーミングな笑顔の女性に会った。
L'Occitaneの店員さん。
飛行機に乗るのでと私が言うと、ビンが割れないようしっかり包んでくれた。
ソレーヌがふと南フランスのアクセントを話題にすると、
「そう、ここの人たちはかなり訛ってますよね。」
「え、あなたも南フランスのアクセントだけど?
 どこかほかの町から来たの?」
「いやだ、ここの訛りきらいなのに。なんて、大きな声じゃ言えないけどね」
カリブ海のアンティル諸島出身という彼女は、いたずらっぽい笑顔を見せた。
「故郷のアクセントを持っていたいのに、どうしても変わってしまうみたい。
3歳になる私の息子はもっとひどいの。
保育園の先生が、南フランス訛りで話すでしょう。
だから、息子が話すのを聞くと、自分の子だって信じられないほどなの!」
そう言いながら、その人はきらきらと笑った。

きっと、里帰りしたときにも
自分と息子さんの南フランスの訛りのことを
ふるさとの家族と一緒に笑いあうんだろう。