水・木の詩のクラスメイトの中でも、飛びぬけて「わかって」いるラムセス。
あの名前に、あの雄弁、朗々とした声は、
もしやファラオの家系か何かなんじゃないかと思わせる。家はキリスト教ではない、とも言っていた。
いちいち聞き逃すまいとペンを忙しく動かす私とは対照的に、
ファラオの末裔はいつもゆったりと構えている。
ときどきペンを取っていたので、ちらりと見てみたら、青いボールペンの描いていたものは
幾何学模様に、人の顔に、そして、まあるく座る猫の正面像。特に猫がうまい。
家ではアビシニアンを肩に載せ、詩を吟じているのだろう。