先週水曜の詩の授業は、 Enrique González Rojo (1899-1939)を読んだ。
海や雨や川を詠んだ詩は、
これまでの詩人たちの存在論的詩よりもずっと親しみやすい、ようやくこういう詩に出会った
と思っていたら、クラスメイトからは「良さがわからない」の声。
なかでも、「潜水士El buzo」という題の詩は、先生も「これは失敗作」。
特にこの詩が好きというわけでもなかったけれど、
判官びいきの火がついて、私の舌はいつになく熱を帯びて動き始めた。
全六連、かいつまんでいうと
海水面のイメージ、海に呼ばれて潜り始める、
体の重さが消え、海に呼ばれて潜り続ける、
光も音も消え、海に呼ばれて潜り続ける…
こんな風でクライマックスのない詩なのだが、
総好かんから救い出そうと喋っているうちに、
深い深い深い深い海の底へ、終わりなく潜ってゆく感覚が
うまいじゃない、と改めて思うに至った。