2007年11月12日月曜日

フランス(7)モンペリエ近郊+港町セート

モンペリエの町を出てしばらく走り、
車を止め、堤防を上がったら急に目の前に海が開け、
「わっ!海だ」と思わず大声をあげる。
「海に行くって、言ったでしょう?」と可笑しそうにイザベルさん。

石の浜をずんずん左に進んでいくと砂の浜になり、
ぽつぽつといる人たちは、
それぞれに本を読んだり、大胆に日光浴したり、
砂遊びしたり、水に入ったり。
大西洋の海水はとても冷たくて、
小さな男の子がちょっと入ってみてからキャーと叫び、駆け回った。


浜辺で見た砂のお城、つくりが半端ではない。


きれいな貝を探しながらずっと歩いて来た浜の道のりを、

拾った貝殻を入れた袋を持って、今度は道路沿いに戻る。
まっすぐで平らな道を、ときどきローラーブレードと風が追い越していく。


港町セート(Sète)の教会は、マリア様もキリストも海の守り神という風情。

教会の中の光も、海の中のようにゆらめいて見える。


教会のある高台から見下ろすと、
養殖場が整然とした印象で、

南の方の港町というと、勝手な先入観としては
どこか雑然としたエネルギーがありそうだが、
セートはなんだか小ざっぱりとして見える。

さすがはヴァレリー縁の地?



港に降りてみても、ヨットはたくさんあるのに、
なんだかきちんと、整然としている。

片付いた部屋に入ったような感覚。
奥の右手に見えるのは灯台。全身白く、頭だけ赤くてかわいらしい。


メキシコの作家、アルベルト・ルイ・サンチェス氏が昨年秋、東京での講演で
学生時代、フランスから初めてモロッコへわたったときの逸話を語っていた。

長い長い嵐の船旅の出発地は、セートだった。
港に停泊していた船にアラビア文字を見つけ、思わずカメラを向けた。


このあたりの伝統的な、喧嘩舟。シーソーのような部分がついている。
二艘でやり合うらしいが、どんな風にたたかうんだろう。


旅行中は夕焼けを見る機会が多くて贅沢。
夕焼け空に逆光で写っているのは、海ぞいの劇場。
劇を見ながら、背景には波の音が聞こえてくるのだろうか。贅沢だ。