石の浜をずんずん左に進んでいくと砂の浜になり、
ぽつぽつといる人たちは、
それぞれに本を読んだり、大胆に日光浴したり、
砂遊びしたり、水に入ったり。
それぞれに本を読んだり、大胆に日光浴したり、
砂遊びしたり、水に入ったり。
大西洋の海水はとても冷たくて、
小さな男の子がちょっと入ってみてからキャーと叫び、駆け回った。
小さな男の子がちょっと入ってみてからキャーと叫び、駆け回った。
浜辺で見た砂のお城、つくりが半端ではない。
きれいな貝を探しながらずっと歩いて来た浜の道のりを、
拾った貝殻を入れた袋を持って、今度は道路沿いに戻る。
まっすぐで平らな道を、ときどきローラーブレードと風が追い越していく。
港町セート(Sète)の教会は、マリア様もキリストも海の守り神という風情。
教会の中の光も、海の中のようにゆらめいて見える。
教会のある高台から見下ろすと、
養殖場が整然とした印象で、
南の方の港町というと、勝手な先入観としては
どこか雑然としたエネルギーがありそうだが、
セートはなんだか小ざっぱりとして見える。
さすがはヴァレリー縁の地?
港に降りてみても、ヨットはたくさんあるのに、
なんだかきちんと、整然としている。
片付いた部屋に入ったような感覚。
奥の右手に見えるのは灯台。全身白く、頭だけ赤くてかわいらしい。
メキシコの作家、アルベルト・ルイ・サンチェス氏が昨年秋、東京での講演で
学生時代、フランスから初めてモロッコへわたったときの逸話を語っていた。
長い長い嵐の船旅の出発地は、セートだった。
港に停泊していた船にアラビア文字を見つけ、思わずカメラを向けた。
このあたりの伝統的な、喧嘩舟。シーソーのような部分がついている。
二艘でやり合うらしいが、どんな風にたたかうんだろう。
旅行中は夕焼けを見る機会が多くて贅沢。
夕焼け空に逆光で写っているのは、海ぞいの劇場。
劇を見ながら、背景には波の音が聞こえてくるのだろうか。贅沢だ。