2010年10月20日水曜日

迷宮とダイダロス

スペイン語で「迷宮」といえば
オクタビオ・パスの有名なメキシコ人論
El laberinto de la soledad (孤独の迷宮)のタイトルにもある
「ラベリント」がすぐに思い浮かぶ。

が、詩などでは、「デダロ」(dédalo)というのがよく出てきて、
ぐるぐる迷いこんでしまうような、また鏡張りのような「ラベリント」とは違う
ごつごつしたおかしな語感だと思っていたが、

オウィディウス『変身物語』(Metamorfosis)のスペイン語版を読んでいて
はっ と繋がった。

デダロとは、イカロスの父、ダイダロスのスペイン語名。
建築術や発明の才に長けていて、
ミノタウルスのための迷宮を作った。
だから、「ダイダロス」が、「迷宮」をあらわす。

dédaloという語が使われていたら、
アリアドネの逸話が、絡んで/繋がって、想起されるのかもしれない。