2010年9月30日木曜日

パウル

9月27日、
詩集 『Agend' Ars 』 の刊行を記念して、
管啓次郎先生と写真家の港千尋さんの二人をゲストとして
青山ブックセンター本店でトークイベントが行なわれた。

  ―「土星の輪が頭をめぐる」とパウルはいうが

と始まる、三番目の十六行詩。
以前、UNAMのラジオ番組で紹介するチャンスを得て、
スペイン語にさせてもらったもの。

…なのに、
その <パウル>が、パウル・ツェラーンのことだと、
この月曜日に聞いて、初めて知った。

そして、パウル・ツェラーンの名には、
ハンス=ゲオルグ・ガダマー『詩と対話』(巻田悦郎訳、法政大学出版局、2001)
という本で、ようやく今年の初夏に、出会った。

(すべて知らずに、ことばだけを移した気になっていたのが、はずかしい)

こうした結び目、「つながり」を知ったからには、
つながったその場所から、もと来たのとは逆のほうの「くだ」に進み、
光と風の来るほうへ進み、
これまで知らなかった出口に 顔を出して、見渡してみることが、面白い。