2010年9月26日日曜日

Agend' Ars の一節

管啓次郎先生の詩集 『Agend' Ars』 (左右社、2010年)をめくりながら
思考や記憶や想像力をつかさどる、
脳や身体やかたちのないどこかに血がめぐるのを感じる。

特に、いまの自分にとってビンとくるのは、
10番目の16行詩の、ある一節。

 (詩の一部分だけを抜き書くのは、
 ある人の目や腕だけをアップで映すようなものかもしれないけれど)。

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[…]
読むことだけが書くことの糸口に
なるような「文学」はいらない
ある土地を出て別の土地に移り住む
だけでは生命の沈思黙考が足りない
否定的な語法ばかりでは色彩が呼べない
犬も鳥も育たずサボテンは開花しない、だから
まず鉛筆を持たずに輪郭を想像せよ
[…]
------- 『Agend' Ars』, pp. 15- 16.------



このビンときた振動をどうやって生かせるかが、問題。