2008年2月12日火曜日

月曜、朝九時に

手続きのため、月曜の朝九時に来るようにと言われた。
心配していたバスのストも中止(あるいは延期)になり、
メトロも予想以上に空いていて、早すぎるくらいに駅につく。

「フアレス大通り沿い、フアレス像の正面にあって
オレンジ色の高い建物で、キューブが飛び出ている」
……これが外務省の建物か。
と見上げていると、ストトン ストン   スネアドラムの音が聞こえてきた。
脇の入り口から入ってみると、
軍だか警察だかの、制服姿の楽隊が待機している。
受付を終えたころ、金管楽器がバリバリ響く音で国歌を演奏し始めた。
毎朝九時の日課なのだろうか?

説明を受けてはサインをし、サインをし、サインをし
別の階に行き、手続きをし、元の階に戻り、
別の階に行き…

最後の手続きを終えて21階から降りるエレベーターで、
乗り合わせていた女性は皆降りて、私以外みな男性になった。
左奥の立ち位置から観察すると、
さすが外務省というのか、皆背広も靴もピカピカで髪もバッチリ決めている。
1階に着き、スッとドアが開いた。
が、誰も降りない。
ドア口にいた人は手ぶりで、ほかの人は視線で、
「お先にどうぞ」
七人の立派な身なりの男性たちの見守るなか、
ああメキシコだ、と思いながら、
gracias, と言って、頼りなげに見えないようにしっかり歩いて降りた。