ソレーヌとの思い出話で、ある夕食の話題が出た。
弟さんも日本に来たときのこと。
鍋料理だったらしいのだけれど、なぜかその日で思い出せるのは
そのお店に行く途中の、宮益坂を歩いていたときの情景だけ。
ああ、なんでだろう、
ごめんねせっかく一緒に行ったのに思い出せなくって、、、と言ったら、
「わたしが思い出せるのは、その夜に撮った写真のおかげもあると思うよ」
記憶は、思い出す手入れをしておかないと引き出せなくなってしまうから
ときどき「思い出す日」をつくるんだ、と言っていた人がいた。
それにしても、写真やメモや、
ちょっとした取っ掛かりがあるとないとではまったく違う。
取っ掛かりがあれば、芋づる式にツルツルツルと
覚えていたことが驚き、というような細部まで思い出したりする。
取っ掛かりを残そう、と思った。