2008年7月1日火曜日

おじいさん運転手さん

Revoluciónを渡ったところで、ちょうどよく目当ての行き先のmicrobusが来た。
"San Angel, por favor"とコインを渡すと、
ゆっくりと受け取ってくれたのはがっしりとした皺だらけの手。
外見や仕草から見るに、ゆうに70代後半を越しているに違いない。

おじいさん運転手さんは、
通り過ぎるバス停の名をひとつひとつ声高にアナウンスしてくれ、
 (普通、アナウンスはない。初めての場所へ行くときは、着いたら教えてくださいと頼んでいる。
  そうでないと、自分がどこを通っているのだかさっぱりわからない)
次々乗り込む客の行き先を告げる声に、ひとつひとつ言葉を返していた。

仲間のバスとすれ違えば、男友達同士がガシっと抱き合うような格好でゆったりと腕を上げる。
(もちろん、片手だけ。もう一方の手はハンドルを支えている)

これまで何キロの道のりを、何人のお客さんを乗せて走ってきたのか、
歴史を刻んだ太い木の幹のようなどっしりとした運転手さん。

フロントガラスには、
運転手さんと同じお茶の水博士のような髪型 (しかも白髪)の、
笑顔のバービー人形の首がぶらさがっていた。
それもどこかユーモラスでいい感じだった。