2008年7月4日金曜日

どこまでがOccidente?

メキシコで「私たちの西洋文化(Cultura Occidental)」という言い方に違和感を覚えたことがある。
西洋というとヨーロッパ(特に西欧)とアメリカ合衆国・カナダ辺りの
所謂「先進国」を、なぜか思い浮かべていたから。(『西洋の没落』などの影響?)

メキシコはOccidenteなの?と聞いたら、
植民地支配以降、言葉も教養文化も、Occidenteのものが入ってきたのだからOccidenteだ、
ただしtercemudista(第三世界の)だけど、とアイロニーを交えた返事がかえってきた。

確かに、言葉(そして思考)、宗教(そして習慣)から、芸術、食文化、などを考えてみると
メキシコにはOccidente的要素が大いにある。

さらに考えてみれば、Oriente(東洋)という言葉にしたって、それが含んでいるものは多種多様だ。


広辞苑を引いてみた。

西洋: ヨーロッパ・アメリカの諸国を指していう称。欧米。泰西。⇔東洋

東洋:①トルコ伊東のアジア諸国の総称。特に、アジアの東部および南部、
    すなわち日本・中国・インド・ミャンマー(ビルマ)・タイ・インドシナ・インドネシアなどの称。
    ⇔西洋。
    ②中国で、日本を指す呼称。

スペイン王立アカデミーの辞書も引いてみた。

Occidente: 合衆国および、基本的に同じ社会・経済・文化のシステムを共有する
       様々な国々から構成されるまとまりのこと。
(Conjunto formado por los Estados Unidos y diversos países que comparten básicamente un mismo sistema social, económico y cultural.)


Oriente:アジアおよび、ヨーロッパとアフリカの、アジアに近接する地域のこと。
(Asia y las regiones inmediatas a ella de Europa y Africa.)