2009年4月12日日曜日

阿修羅とは話をせず

上野の阿修羅展へ行った。

ほかの仏像もおもしろい。
奈良時代の像(「八部衆」や「十大弟子」)、
腰が細くて線が繊細で、最近の日本の若い男性たちに多い「女性的な感じ」に通じるものがある。
美的感覚も、おおきな流れで回って戻ってくるのだろう。

360度どこからでも見られる阿修羅像の展示も圧巻だったけれど
ほかの仏像も、ほぼぐるりと見られる。
後頭部の感じや、姿勢、角度によって変わる印象、、、興味をひかれることが山ほどある。

あれこれ好き勝手なことを言いながら回っていたら、
第二会場の釈迦如来の仏頭のところで静かに手をあわせているおじいさんがいて
すこしはずかしくなった。

小学校3,4年生くらいの娘をつれたお父さんが
「ここに立ってみてごらん」と、仏像と目の合う場所を教えている声も聞いた。

お寺に行って仏像に「会う」ような心持のひとたちと、
もともとの文脈から切り離された「展覧会」で仏像を「見る」のと。


土曜の午後の阿修羅像は、
案内にしたがって「時計回りにすこしずつ進みながら見る」観客のうずに巻かれていた。