2007年10月30日火曜日

フランス(5) アヴィニョンにて

ようやくアヴィニョンに着き、法王庁宮殿に登った。Papesを「教皇」、「法王」という日本語に置き換えて頭に思い浮かべると高校時代、世界史を習った教室の情景を思い出した。こうして実際にアヴィニョンを歩き、長い歴史を経て今に至る石造りの建物を見ていると、歴史は単に紙の上に書かれたことがらではなくて生身の人間が実際に生きたものなんだなあ、という当たり前のことなんだか不思議に感じられる。






美しい絵画や彫像と、おそろしげなレリーフと、果たしてどちらが宗教的メッセージを伝えるのにより効果的だったのだろうか。








幽閉された天使。立派な羽があり、頭上には空もあるのに、囚われの身のままじっとしている。まあ、石なのだけど。










観光ガイドつきのよそのグループの足並みにならい、展望台へ上る。上から見たサン・ベネゼ橋。これが歌にもなっている「アヴィニョンの橋」。その歌、日本語版もあるんだよ、と歌ってみせると、ソレーヌは目を丸くしていた。

橋なのに途中で切れているのは何故なのだろう。





ローヌ川をはさんだ対岸から見たサン・ベネゼ橋。
アヴィニョンの橋の見えるこんな場所にカラフルなカヌーがたくさんいて、親子連れや、小学生くらいのきょうだいが練習している。もう河口に近いこのあたりは、川幅も広く流れが穏やかでこどもの練習にちょうどいいのか。

流れが緩やかそうだとは言え水深はどのくらいあるんだろう。




法王庁宮殿の前には、聳え立つ歴史を背景に、
スケボーで順番に跳ぶ男の子たち。








宮殿脇の庭には、イヤホンで音楽を聴きながらジャグリングを練習する若者。腕の動きがとてもなめらかでスローモーションを見ているような気がした。重力を操れるか、その空間だけ空気ではなく水で満ちているかのようでもあった。

アイスクリーム売り屋台のおじさんもアイスを買いに来たお客さんと一緒に見とれていた。






街には、小さなこどもを連れた家族があふれている。親子の服装の色づかいが、わざとらしくなく自然に統一感を持たせてある。やさしいピンク色の女の子は乳母車を降り、えい、と押しては追いついて、また、えい、と押して勇ましく歩いていた。

後ろからのんびり見守るピンク色のお母さん。頼もしくあたたかい。