2007年10月11日木曜日

フランス(1) リヨンにて


グルノーブルの学生寮の隣人
クレマンスと四年ぶりの再会。
彼女は相変わらず猫好きで、

リヨンでも猫を飼っていた。
クレマンスが仕事に出かけた後、
朝食をとりながら地図を見ていると

視線の先に猫がどっしり座った。


近年導入されたらしい、
レンタサイクルのシステム。
あちこちにサイクルスタンドがあり、
白地に鮮やかな赤の自転車が
町中を軽快に走っている。




さすが、フランス。 どの店のショーウィンドウを見ても美しい。
きれいな店が立ち並ぶ道に、 妊婦服専門の洒落た服のお店があった。 パリの公園で、 美しい真っ赤なコートが汚れるのもかまわず子どもと一緒に砂場にしゃがんでいたお母さんを思い出す。



フルヴィエールの丘に登る。
「~坂」という名前を頼りに、
上り坂の近道を探して進んだ。
急勾配の途中で、
伊勢から来たのか、かたつむりに出会う。




町中を見渡せる、丘の頂上にやっと到着。
お母さんに抱えてもらって望遠鏡をのぞく空色の男の子。
視線の先には…






眼下に広がる、リヨンの町。
ソーヌ、ローヌ、二つの川が流れている。

ソーヌ川はLa Saône、ローヌ川はLe Rhône。
町に降りてから見た石碑には、二つの川が女性と男性の姿で描かれていた。




ノートルダム・ド・フルヴィエールバジリカ大聖堂。
ひんやりとした大聖堂の壁面を飾る、
ジャンヌダルクやレパントの海戦など
歴史的なモチーフのモザイク壁画を眺め、
地下礼拝堂に続く階段を降りると、
ふわっと暖かさを感じた。
ロウソクの暖かさだった。














聖母の加護に感謝をあらわした石版。この写真のあたりには、第一次大戦中の年代が多く見られた。





丘を降りると、
旧市街の中心にある
サン・ジャン教会の入り口から、
四時を告げる からくり時計の音楽が聞こえてきた。
クレマンスのお勧めだったのに、
時計の下にたどり着くまでに音楽は終わり、
人形も中に入ってしまった。
時計に映るステンドグラスの光が美しく、 しばし見とれる。






1371年の日付の文書にも、
すでにこの時計のことが
言及されているらしい。
宗教戦争や、フランス革命で損壊を受け、
修復を重ねて今に至る。
時を刻み続けるこの時計には、
数々の歴史も刻まれている。









ローヌ川の川岸では
最近工事が行われ、
もとあった駐車場を壊して散歩道を整備し、
ゆったりしたデッキチェア、
子ども用の遊具などを設置したとのこと。
効率一辺倒の流れに乗らない、
心の余裕が粋。
夕方をのんびり過ごす人たち。


川岸の超高速すべり台。
のんびりムードの中、ここだけスピード感があった。

初めは速すぎて娘を受け止め損ねたお父さん、
二度目からは用心して、娘をしっかりキャッチ。
スピードとスリルがあっても、
それを楽しんでいる親子の姿は、やはりのどか。



もう8時も近いのに、まだ明るい。
月が涼しい顔で日没を待っていた。