サンピエール教会を訪れる観光客の多くが、
壮麗なファサードをてっぺんまでカメラに収めようと、
デジカメのモニターを見ながら教会からどんどん離れ、
うーん、まだ全部入らないな、なんて言っているうちに
後ろの建物ぎりぎりまで下がっていく。
わたしもそんな中の一人だった。
ふと振り返ると、後ろの建物の窓辺には
地球儀が遠慮がちに外の世界をのぞいていた。
クレストで会った人たちは皆とても感じがよくて、私たちの右隣でブロックに腰掛けて運転免許の試験のための本を見ていた若い女性も、左の方でピクニックをしていた家族も、立ち去るときに私たち二人に「bon appétit!」と声をかけてくれた。川のある町は風通しがよくて気持ちがいい。
聖母の加護に感謝をあらわした石版。この写真のあたりには、第一次大戦中の年代が多く見られた。