2010年6月10日木曜日

世界を変えるデザイン展 今月13日まで

五月の週末に訪れた「世界を変えるデザイン展」
(東京ミッドタウン・デザインハブ、入場無料、11-19時)。

古い足踏みミシンを改良した、卓上ライトを自家発電で灯せる机や
霧を集めて飲み水にできる網、
レンズ部分に入れた液体の濃度?圧?を、注射器を使って変え、度数の調節ができるメガネ…

など、物自体のアイディアも面白いけれど、

たとえば足踏みミシンの例では、
装置に必要な古い足踏みミシン・中古車の部品などの流通、装置の組み立て、販売など
仕事をうみだすということも考えられているというのに、なるほど、と思った。

そして、その物が必要となる背景を読むと、はっとさせられることもある。

たとえば、乳児の体温を保つための、湯たんぽ的な機能も備えたおくるみ。
栄養状態が優れない条件下で生まれてきた新生児は、
最低限の体温を維持することができずに
命を落とすことが多い。
そのための十分な機材も手に入らない環境で、この問題に対処するためのもの。


たとえば、燃料効率のよい調理用ストーブ。
民族対立のため、難民キャンプから薪を探しに出たところで襲われる危険が多い。
そのため、集めた薪を、有効に使えるようにするためのもの。


「平和ぼけ」ということばがあったけれど、
異常なまでに便利な都市・時代・環境…で暮らしていると
便利であたりまえ、便利があたりまえという「便利ぼけ」になってしまいそうでもある。


なんていうことを考えなくても、
それはそれは面白い展示でした。
13日まで、ひらかれています。六本木付近へいらっしゃるかたは、ぜひ。