町のあちこちで工事が進んでいる。町が変わってゆく。
根を張ってどっしりと立つ木々よりも、もっと変化しないものを見つけた。
物言わぬ彼女の眼にうつってきたもの、彼女の耳が聞いてきたものを
見ることが、聞くことができたらどんなに面白いだろう。
手続きのため、月曜の朝九時に来るようにと言われた。心配していたバスのストも中止(あるいは延期)になり、メトロも予想以上に空いていて、早すぎるくらいに駅につく。「フアレス大通り沿い、フアレス像の正面にあってオレンジ色の高い建物で、キューブが飛び出ている」……これが外務省の建物か。と見上げていると、ストトン ストン スネアドラムの音が聞こえてきた。脇の入り口から入ってみると、軍だか警察だかの、制服姿の楽隊が待機している。受付を終えたころ、金管楽器がバリバリ響く音で国歌を演奏し始めた。毎朝九時の日課なのだろうか?説明を受けてはサインをし、サインをし、サインをし別の階に行き、手続きをし、元の階に戻り、別の階に行き…最後の手続きを終えて21階から降りるエレベーターで、乗り合わせていた女性は皆降りて、私以外みな男性になった。左奥の立ち位置から観察すると、さすが外務省というのか、皆背広も靴もピカピカで髪もバッチリ決めている。1階に着き、スッとドアが開いた。が、誰も降りない。ドア口にいた人は手ぶりで、ほかの人は視線で、「お先にどうぞ」七人の立派な身なりの男性たちの見守るなか、ああメキシコだ、と思いながら、gracias, と言って、頼りなげに見えないようにしっかり歩いて降りた。
(2004年7月撮影)
スタバンゲルの住宅街に、かわいらしい郵便受けがあった。
冬になれば、辺り一面、真っ白の雪景色になるのだろう、
この辺りの家々には、とても急な傾斜をつけてある屋根が多かった。一箇所ぽつんと春のような郵便受けには、どんな手紙が届くのでしょうか。
