2010年2月28日日曜日

明日は満月


雨戸を閉めようとしたら、
まるくて明るい月が目に飛び込んできた。
わ、満月!

と思いきや、満月は、あす3月1日でした。
明晩も晴れますように。

2010年2月25日木曜日

待っているパンダ


今日はこどもたちが遊びにこないな。


と、公園で待っているパンダのように、
目下わたしが取り組んでいる論文の中身も
日に焼けながら、砂をかぶりながら、

早く書いてくれよと思っているのかもしれない。

2010年2月24日水曜日

自家製干し椎茸

よそのお宅の庭先をのぞいているわけではないけれど
歩きながら何気なく目を向けた拍子に、見えてしまった。

水色プラスチックでできた、
洗濯ばさみが四列くらいずらりと並んだ洗濯干しが二つかけてあって、

そこに規則正しく干されていたのは洗濯ものではなくて
黒っぽくて小さくて丸みをおびた、あれはまちがいなく、椎茸。

通りすがりの猫にも、おなかを空かせた鳥たちにも狙われることなく
ぎゅっと味の凝縮された干し椎茸ができることだろう。

2010年2月23日火曜日

二人三脚になるかならぬか

角を曲がったら、
小学生の女の子ふたりの楽しげな笑い声に出会った。
ふふふと笑いながら歩く二人の後ろから、
お母さんが笑顔で見守っている。笑顔が三つ進む。

ふたりは、双子。
髪は同じように二つ分けで元気に結ってもらって
白い上着、ジーンズに、ピンクの靴のいでたちもお揃い。

いち、に、いち、に、 
たたたたったた ふふふ

きゃー待って、 たたた たたったた 合った、

いち、に、いち、に。 
たたたたたたったた ふふふふふ

もう一回、 えーと、たた た たたたた 

いち、に、いち、に。ふふふ

一人は、姉妹ふたりで二人三脚の状態にしようと足並みを合わせ、
もう一人は、わざとリズムを乱して足並みをばらけさせようとして、

いち、に、いち、に。 たたた た たた ふふふふ 待ってー
の繰り返し。

楽しそうな二人を見守るやさしい視線と目が合って、
かわいいですね、と笑顔を返した。

2010年2月22日月曜日

航跡


舳先が分けていく水は、少し膨らんで、
行く手を阻むようにも見える。

通った直後の水はへこみ、波紋が広がる。

2010年2月18日木曜日

朝雪儚く


梅の枝、梅の花が、
こんな風に雪綿帽子をかぶっていたのは、
束の間のことだった。

はほんの数時間ですっかりとけて、
何ごともなかったかのように消えた。
陽射しを受けた梅の花は、けろりとしていた。

2010年2月15日月曜日

懐かしい


2008年の2月14日夜、メキシコシティ、サン・アンヘル市場の近くにて。

懐かしい
(形)なつかし 〔シク〕動詞「なつく」の形容詞化
1.心がひかれて離れがたい。
 ア.魅力的である。すぐそばに身を置きたい。
 イ.好感が持てて近づきになりたい。親しくしたい。
2.かつて慣れ親しんだ人や事物を思い出して、
 昔に戻ったようで楽しい。
3.引き寄せたいほどかわいい。いとおしい。
4.衣服などがなじんで着心地がよい。
              (デジタル大辞泉)

2010年2月14日日曜日

数学と文章

気になるスペイン語。

Parábola: 1.(宗教的・道徳的な)比喩、たとえ話、寓話
       2.(数学)放物線

Hipérbola: (数学)双曲線
Hipérbole: (修辞学)誇張法
 ちなみにこの二語(HipérbolaとHipérbole)の
 語源となったギリシャ語は、おなじもの。

 ギリシャ語がわからないのがくやしい。


2010年2月13日土曜日

本を閉じてからはじまる物語

2月5日、日本ペンクラブ「こどもの本委員会」のイベントを聞きに行った。

おなかをすかせているこどもたちに対して、
本は、物語は、何ができるのか?

というのが、ディスカッションのとっかかりとして、
落合恵子さんが(サルトルを引用して)投げかけた、大きな問いかけだった。


パネリストの方々のお話はそれぞれのお人柄が出ているように思われ、
なかでも、
(赤にグレーの色あわせがチャーミングだった)角野栄子さんのことばに
なるほど、と思った。

私の理解とメモ書きが正しければ、

戦争が終わったときに小学校5年生だった角野さんは、
飢えも経験したし、
飢えたときに大人たちがいかにあさましくなるのかも、
そして子どもたちがいかに逞しく生き抜いたかも、知っている。

ご自身がこどものときには、すでにできあがっていて読めるような物語がなく、
自分で自分自身の物語をつくっていくことによって
自分の置かれた状況と、自分の気持ちを確かめて、
それを支えにして、たいへんな状況を生き抜いた。

角野さんが書きたいのは、
読者が物語を読み終わって本を閉じてから、
読者自身の新たな物語がはじまるような
(その新たな物語に刺激を与えるような)、そんな本だという。



配られた資料のプロフィールに、
1959年から二年間ブラジルに暮らしていらっしゃったとあって

ますます、角野さんご自身について知りたくなる。

2010年2月10日水曜日

夕焼け/青空

昨日、青山ブックセンターで
越川芳明さんと管啓次郎さんの
トークショーを聞いてきた。

タイトルは「旅と翻訳」。

管啓次郎さんが
ニューメキシコで撮った写真のスライドショーに
夕焼け空が、斜めに切れて、青空と分かれているのがあって


あっ
去年の夏、Edu と見た、斜めの夕焼け空と同じだ。

2010年2月9日火曜日

紫の新芽


枯木のように見えていた紫陽花の枝に、新芽が出てきた。
花芽でもないのに、リュウノヒゲの実のような紫色をしている。

愛とコレステロール

2007年に幸恵さんと行ったスペイン領カナリア諸島について
昨晩テレビで番組をやっていた。

私たちを迎えてくれた友人Adoが案内してくれた
La Laguna の旧市街を懐かしく見た。
(行ったことのある場所が、
 本や新聞や雑誌やテレビや映画で

 出てくると、なぜかとてもうれしくなる)

と、テネリフェ島案内の続きで
椰子の木が立ち並ぶ、長い長い並木道が映った。

ああこれは、コレステロール通りというのだと教わった道だ。
当地では糖尿病のひとが多くて、運動のためにそこを散歩するのだとか。

と、テレビではそのコレステロール通りが「愛の小道」と紹介された。
テネリフェ島のグァンチェ族と、そこに入植したスペイン人の居住区をつなぐ道で
グァンチェ族とスペイン人の間の愛を育む道だったこと。実際、混血はどんどん進んだこと。

あの椰子並木は、
「つなぐ道」でもあり「歩き語らう道」でもあり、「運動として歩く道」ともなり。

2010年2月4日木曜日

立春レモン


初雪の日に開くかもしれないなあと思っていた
レモンのつぼみが、

立春の今日そっと開いているのを見つけて

え、と思ってから、ほんとうに咲いているのを確かめて
それから、あっ、と
声が出た。

るみ画伯さま、レモンの花はこんな色をしています。

2010年2月3日水曜日

客席参加型演奏会

雪が積もった朝は、音が吸い取られて静か。

高校時代、部活動の演奏会のリハーサルのときに
OBが教えてくれたことを思い出す。

今は客席が空だから音が響いて聞こえるけれど
お客さんが入ったら、音が吸い込まれて小さくなるからね。
特に、冬場は皆、もこもこ着込んでいるから。

だとすれば、
客席の人が皆、音を吸収しないような素材に身を包んだらどうだろう。
スピードスケートのウェアのような。

響けばいい、というものでもないか。

2010年2月2日火曜日

静夜雪



  静夜
   外燈白
    冷柔覆