2012年9月17日月曜日

本の値段

日本で出版される本を見ると、カバーの部分に定価が印字されているけれど
メキシコの本には、それがない(ただし、ISBNを示すバーコードは印字されている)。

本全体を包む薄いビニールのカバーの上に値札がついていることが多く
それがない場合は、店員さんに尋ねれば
バーコードをつかって、あるいはタイトルと著者から検索して、いくらか教えてくれる。

本の価格は、古書店でなくても、書店によってかなり違う。
(私は数回しか利用したことがないけれど、El Sótano は比較的安いと聞く)


また、大手出版社・書店のFondo de Cultura Económicaの場合だと、
出版されてからある程度時間が経つと(1年?2年?詳しくはわからない)
値札シールに二行目が出現、
そこには新刊本の値段から10%割り引かれた数字が印字される。


それから、上記のFondoや、Siglo XXI、Porrúa, それに大学の出版局などの
直営書店の場合には、
メキシコの大学が発行した学生証を会計の際に提示すれば、
それぞれの出版局が出した本は、かなり大きな割引率で購入することができる。

 たとえばメキシコ国立自治大学(UNAM)の場合には、
 半額に、あるいは25%引き(共同出版の場合)になる。

メキシコ市に留学したときの実感からいうと、
あの町で生きていく上で最低限必要な諸経費(食費、交通費、住居費など)に比べると
書籍の値段はだいぶ高いので、学生には嬉しい配慮だと思う。


今回のメキシコ滞在中、8月30日にFondoの書店で Venta nocturna という催し
(夜の大売り出し、とでも訳せるだろうか)があった。
6時ごろから始まり、夜の12時までで、
Fondoの出版物は40%引き、ほかの提携各出版社の本も大いに値引きするというもの。

メキシコ市でもっとも大きなFondoの支店、Rosario Castellanos店(Av. Tamaulipas)に行くと
店内は、日本のデパートのバーゲンセール、レディースフロアーぐらいに混んでいて
仮設レジがいくつか用意してあったにもかかわらず
各自何冊も抱えて並ぶ大勢の列はなかなか進まず、結局40分か50分ぐらい待った。

レジ待ちの間、なにやらトークショーのようなものが聞こえてきた。ある女性客のコメント:
 -メキシコ人には本を読む人が少ない、なんていうけれど
  そんなことを言う人には、この光景を見てほしい!

そういえば、毎年、旧市街(の、Palacio de Mineríaだったか?)で開催されている
ブックフェアに行ったときにも、ほんとうに大勢の人が来ていることに目を見張ったことがある。


文化が、そして読む、知る、考えるということが、
それを楽しみたいという思うすべての人にとって手に届くものになるチャンスがあるのはいい。