2011年5月25日水曜日

「よかったら…」





あの花が咲き、あの花が咲き終わり、
この花が咲き、この花が咲き終わり、
3月以降、なんと、月日の経つのが早く感じられることか。

5月のはじめのある朝に、息を吸おうと公園を歩きに行った帰り道。

見事なモッコウバラの咲いているお宅の前を通りかかったときに
前夜の風雨で折れた枝を集めていたご夫婦と目が合い、
(つい、人の目を直視してしまうのは、小さいころからの癖)
おくさまから声をかけられた。

「あの、よかったら、これ持っていきませんか?」

いいんですか、では一枝か二枝ほど、と答えた二分後、
私は両腕に抱えきれないほどのモッコウバラに半ばうもれて
自宅へ向かうこととなった。(と言っても、そこからは徒歩3分ほどで家)

しかし、そんなにたくさん持って帰っても、
その花を飾るための花瓶も足りない。
どうしよう、

と考えていたちょうどそのとき、
通りがかった別のお宅の玄関から、ごみを出しにでてきた方があり、
これはちょうどいい、と視線を向けて

「あの、、、このモッコウバラ、
 さっき、すぐそこでいただいてきたのですが、
 もしよかったら、一枝、二枝、いかがですか?」

「あら、いいんですか、
 ちょうど、今日お花を買おうかと思っていたんですよ」

と、幾枝かおすそ分けしたものの、
ほかにはもう軒先で出会う人もおらず、
結局、たくさんのモッコウバラを持って帰った。

写真は、その、ごく一部。

東京でも、何かが変わりつつある、か。