あの花が咲き、あの花が咲き終わり、
この花が咲き、この花が咲き終わり、
3月以降、なんと、月日の経つのが早く感じられることか。
5月のはじめのある朝に、息を吸おうと公園を歩きに行った帰り道。
見事なモッコウバラの咲いているお宅の前を通りかかったときに
前夜の風雨で折れた枝を集めていたご夫婦と目が合い、
(つい、人の目を直視してしまうのは、小さいころからの癖)
おくさまから声をかけられた。
「あの、よかったら、これ持っていきませんか?」
いいんですか、では一枝か二枝ほど、と答えた二分後、
私は両腕に抱えきれないほどのモッコウバラに半ばうもれて
自宅へ向かうこととなった。(と言っても、そこからは徒歩3分ほどで家)
しかし、そんなにたくさん持って帰っても、
その花を飾るための花瓶も足りない。
どうしよう、
と考えていたちょうどそのとき、
通りがかった別のお宅の玄関から、ごみを出しにでてきた方があり、
これはちょうどいい、と視線を向けて
「あの、、、このモッコウバラ、
さっき、すぐそこでいただいてきたのですが、
もしよかったら、一枝、二枝、いかがですか?」
「あら、いいんですか、
ちょうど、今日お花を買おうかと思っていたんですよ」
と、幾枝かおすそ分けしたものの、
ほかにはもう軒先で出会う人もおらず、
結局、たくさんのモッコウバラを持って帰った。
写真は、その、ごく一部。
東京でも、何かが変わりつつある、か。