2008年12月18日木曜日

食堂にて

市場の食堂が気に入っている。
同じ屋根の下に三つのお店があるうちの、一番右側のお店が特にいい。

野菜のたっぷり入った牛肉のスープが絶品なので通うようになったというのもあるけれど
全員女性でかためた店のチームワーク、バランスが絶妙。

カウンターの奥には、店の味を守る、どっしりとしたメガネのおかみさん。

脇をかためる、中堅の短い髪のおばさん。次いで、おかっぱのちょっと陽気なおばさん。
この二人は状況に応じてテーブルにも出る。

厨房には若くてすらっとした女の子が二人。

そして、料理を運ぶ看板娘は、長い三つ編みでドラえもんみたいにころんとしたおばちゃん。
愛嬌抜群、ちょっと抜けているところもある。
先日は、まだ何も頼んでいないおじさんにごはんを届け、「恋でもしてるのかい?」と言われていた。

早い時間に行った今日は、客が少なくて手持ち無沙汰そうにしているので
気になって見ていたら、まず、生のにんじんをかじったのを目撃。
そして、これから調理にまわるであろうたまねぎの上にトマトを並べたらコロンと落ちた。

新たなお客さんが通りかかったそのとき、おばちゃんが俊敏に動いた。
メニューを手に取り、すばやく声をかける。
しかし残念!その人が食べたいメニューが今日の定食になく、別の店の方へ行ってしまった。
おばちゃんは、メニューであおぎながら、そのお客さんの行方をじっと見据えていた。

また手持ち無沙汰になったおばちゃんは、
まだ食事が終わらないうちに、デザートを持ってきてくれた。

2008年12月15日月曜日

corazón

おかあさん、

なあに?

ぼくこわーいびょうきかもしれない

どうして?

ここがいたいの

いつからいたいの?

きのうから

どんなときに、いたくなったの?



illustration by Eduardo Altamirano Segovia

ともだちと、けんかしてから…

いまも、いたいの?

おもいだしたら、いたいの

そこには、こころがあるのよ。

こころ?

こわーいびょうきじゃなくって
こころが、こまったなっていっているんじゃない?

でも、からだも、あつくなったり、つめたくなったり、するの
やっぱりぼく、こわーいびょうきかもしれない

それはね、わたしたちのからだぜんぶが
こころだからじゃないかしら?


2008年12月13日土曜日

ことばの誘惑

論文を書いているというのに、
和西辞書の見出し語が気になってしょうがない。

みるからに

むけいかく

 
そして、パラパラとめくってみれば…

まわた

ペンギン

のぞみうす

ひえびえ

したづみ

さいじょ

がらあき

かきなぐる

おしかける

いたち

あせる


よりみち

2008年12月10日水曜日

振り向けば


何か気になって振り向いたら、夕方の空が

2008年12月9日火曜日

Noche buena


町はすっかりクリスマス気分、
大学の図書館は、もう今週半ばから休暇に入ってしまう。
休暇貸し出しで長く借りられるのは嬉しいけれど……。

町のあちこちにノチェ・ブエナ。
メキシコ原産のこの植物、ときにひょろりと二階近くの丈になっていることもあるが
飾り用のは、見慣れたサイズ。

セントロ・イストリコの植え込みも、
死者の日のオレンジのセンパソチルから、
赤と緑のノチェブエナに変わっている。

季節感は、なんだか嬉しい。

2008年12月4日木曜日

チリコ入手

先日探していたGiorgio de Chirico についての本。
発行元である
、大学の美学研究所の書店に直接行ってみたら、
なんともあっけなく手に入った。

「ジョルジョ・デ・チリコね、はい、どうぞ」

取り出した棚には、まだ5、6冊は同じ本が並んでいた。

それにしても、やっぱりチリコ。

2008年12月2日火曜日

チリコ

UNAMの大学出版から出ているGiorgio de Chirico についての本を探しに
大学の書店に行った。この本を探しているんですけど、とメモを見せたら

チリコだね?この辺りにあったような…と、美術コーナーへ。

結局、コンピューターで調べてもらったところ、在庫がないとわかり、がっくり。

けれど、チリコ、チリコと何度も言うので
あの硬質のデ・キリコの世界が、急に寸詰まりにコミカルになってしまったようで、
見つからなかったことよりも、チリコのことが気になりながら店を出た。