たとえ横断歩道であっても、気をつけなさい。
自分の身は自分で守るべし。
さもなくば…
近所のおだんご屋さんの幟が、
布の折れた加減で「焼たんご」と読めた。
タンゴ、アルゼンチン、アコーディオンと連想し、
ピアソラの曲に合わせ、スポットライトを浴びて踊る二人と
海苔醤油のおだんごのミスマッチを思い
三歩進んだところで、はたと思い当たった。
だんご三兄弟。 そうか、あの曲はタンゴだったんだ。
なぜ今まで気づかなかったんだろう。
もしかすると、曲が流行っていた頃は気づいていたのを
時間が経って忘れたのかもしれない。
本を読んで、これはすごいことを知ったと思ったら、
次のページをめくってみると
自分が以前その箇所を読んで「!」と書き込んだ痕跡を見つける
なんていうこともある。
しかし、やっぱりタンゴと思って聴いた覚えはない。なんたる不注意。
気を取り直し、 タンゴ、タンゴと歩きながら考えた。
さっきのスポットライトの二人に
三兄弟の曲に合わせて踊ってもらったらどうなるだろう。
「ごみ捨て禁止 大田区」 という小さな看板を見た。これだけでは取り立てて何か言うほどのことでもない。しかし、この看板があるのは、 大田区までは電車で一時間ほどかかる都内某市の路上。 店などで、外国の「禁煙」や「トイレ」の看板を使っているの見たことはあるけれど、これは何ともささやかな引越しだ。誰かが、引越しの際に看板も一緒に持って来たのか、 ごみ捨て禁止看板の廃材再利用なのか。 「大田区」と書いてあるのは柴犬の目の高さくらいで何度も通った道なのに、今までちっとも気づかなかった。靴擦れを気にして足元に意識が向いていなかったら 今回も気づかなかっただろう。いつからあったのか、看板は日に焼けてすっかり色褪せている。(引っ越してきたときにはすでに色褪せていた可能性もある) 自分が大田区から来たことを、看板も覚えているかどうか。